2022年4月11日更新
~Concert Impression ⑫~
1-2月 若手演奏家たちの登場
新年が明け、オープニング・コンサート・シリーズも後半に差し掛かりました。1-2月は国内外で活躍している期待の若手演奏家たちの公演が続きました。1月9日は吉見友貴さん、1月10日は山根一仁さん(ピアノ共演は大井駿さん)、1月30日は亀井聖矢さん、2月23日には小井土文哉さんが出演しました。
▲吉見さんは高校2年生で日本音楽コンクールに優勝し、現在はアメリカの
ニューイングランド音楽院で研鑽を積んでいます。本公演では卓越した技巧
に個性豊かな熱演、またお洒落なファッションで会場を沸かせました。
「力強さと繊細さ、クリアな音質に技術も素晴らしく、圧巻の演奏でした。」(教員)
「タイプの異なる様々な音楽を自在に演奏しており素晴らしいと思いました。娘は最後の曲(ベートーヴェン: 《6つのバガテル》から第5番)が好きだと言っていました。」(音楽教室ご父母)
▲山根さんは音楽教室在籍時(中学3年生)に日本音楽コンクールで優勝し、
現在はドイツのミュンヘン音楽演劇大学で研鑽を積んでいます。風格も感じ
られる端正な演奏、また大井さんとの緻密なアンサンブルが印象に残りました。
「バロックから古典の晴々と明快で端正な演奏を堪能しました。」(教員)
「集中力が持続した繊細な演奏でした。1曲目(ベリオ:《セクエンツァVIII》)、面白い曲でした。ピアノとのアンサンブルも良かったです。」(音楽教室ご父母)
▲亀井さんは飛び級入学生として桐朋学園大学に入学し、その年にピティナ・
ピアノコンペティション特級と日本音楽コンクールで優勝、そして先日開催され
たマリア・カナルス・バルセロナ国際音楽コンクールで見事第3位に
入賞されました!本公演では難曲揃いのプログラムで圧巻の演奏を繰り広げました。
「今まで見たことないほどに豪華なプログラムで、アンコールにはラ・カンパネラという驚きの曲目でした。とても芯が強いパワフルな音、高音域は繊細さと輝きがあり、今ピアノを学んでいる身として憧れる音色でした。」(高校1年生)
「亀井聖矢さんの生の演奏を初めて聴かせていただきました。学生と言うよりも演奏家としての自然な表現を楽しませて頂きました。特にオンディーヌはラヴェルが喜ぶと思うくらい美しく、スカルボは悪魔的で、連打も表現の中で内面的に効果を出せて素晴らしかった。アンコールのラ・カンパネラも素敵でした。今後も楽しみにしております。」(教員)
▲小井土さんは日本音楽コンクールや著名な国際コンクールで優勝し、現在は
イタリアのイモラ音楽院で研鑽を積んでいます。プログラム前半はピアノソロ、
後半は東亮汰さん(ヴァイオリン)、堀内優里さん(ヴィオラ)、山梨浩子さん
(チェロ)とフォーレの《ピアノ四重奏曲 第1番》Op.15を演奏し、小井土さんの
知性と情熱が身近に感じられました。
「小井土さんの独特の世界がありました。この若さで稀有だと思います。」(教員)
「小井土さんの、しっかりとしたタッチでも流れるような音楽が聴いていて心地よかったし、ワクワクしました。 唯一無二の音色だと思いました。」(高校1年生)
「フォーレのピアノ四重奏曲が素敵でした。 スクリャービンの左手のための前奏曲、これは鍵盤が見たかったです。」(教員)
オープニング・コンサート・シリーズでは、これまで多くの有望な若手演奏家が出演してきました。これは桐朋学園宗次ホールの「学び舎のホール」というコンセプトを反映しており、本シリーズを終えた後も若手演奏家が経験を積む場としての役割を果たしてまいります。