2022年4月12日更新
~Concert Impression⑭ ~
オープニング・コンサート・シリーズ最終章:3月公演
オープニング・コンサート・シリーズのConcert Impressionも最終回となりました。今回は3月に開催された2つの公演についてご報告いたします。4日には石井楓子さんと上村文乃さんのデュオ・リサイタル、17日にはTAIRIKさんプロデュースの「品川カルテット」(ヴァイオリン:古澤巌さん / 福田悠一郎さん、ヴィオラ:TAIRIKさん、チェロ:高木慶太さん)の公演がありました。
4日の公演では、それぞれのソロの熱演に加えて、後半ではデュオの演奏がありました。石井さんと上村さんは桐朋在学中から目覚ましい活躍を見せており、また共にスイスのバーゼル音楽院で研鑽を積まれたという共通点があります。
本公演はブラームス、黛敏郎、ラフマニノフ、そしてアンコールにはロッシーニの《セビリアの理髪師》からのパラフレーズと各地域の色彩を帯びた選曲により、まるで世界旅行に導かれたような印象を受けました。また、ソロはもちろんのこと、後半のラフマニノフのチェロ・ソナタでは壮大且つ緻密なアンサンブルに客席から惜しみない拍手が送られていました。
続いて、17日の公演は「品川カルテット」のファンクラブの方々も来場され、本シリーズの最終公演は熱気に溢れたコンサートになりました。
国内外で幅広い活躍を見せている古澤巌さんをはじめ、実力とカリスマ性を兼ね揃えたアーティストたちにより結成された「品川カルテット」は、実は全員桐朋学園の出身でもあります。プログラムはクラシックの名曲とロベルト・ディ・マリーノの美しい旋律を持つ作品を組み合わせ、また曲間に楽しいトークを交えながらお客様を大いに魅了しました。
本公演では以下の感想を頂いております。
「モーツァルトやメンデルスゾーンといったクラシックの名曲とマリーノのオリジナル曲、どれも躍動感と迫力に満ちており、演奏はもちろんお話も面白かったです。普段はあまりできない貴重な体験をして、私自身も楽しませていただきました。」(大学2年)
「素晴らしいメンバーの弦楽アンサンブルを聴かせて頂きました。木のホールで暖かい響きに包まれて至福の時を過ごしました。名器を弾きこなして楽しさを下さった古澤巌さん、サーフィンに乗られてる感じでした。TAIRIKさん、お話しも上手。高木さん、福田さんもいつも通り素敵な演奏を有難うございました。4月からもこの様な色々な形でのコンサートを桐朋学園宗次ホールで聞かせていただきたいです。」(音楽教室講師)
以上の3月公演をもちまして、昨年の9月7日から開催してきたオープニング・コンサート・シリーズは無事に終了を迎えることができました。本シリーズを支えてくださった全ての関係者様、そしてシリーズの公演にお越しくださった方々に心から感謝申し上げます。
今後の桐朋学園宗次ホールは、学生・生徒や若い音楽家が経験を積む学び舎として、また地域の方々や一般のお客様にクラシック音楽の素晴らしさを伝えられる拠点として、すなわち「音楽学校のホール」としての可能性を最大限に活かした運営を行ってまいります。
桐朋学園宗次ホールの歴史は始まったばかりです。本学は今後も桐朋学園宗次ホールをより生きたものにするよう励んでまいります。