2022年3月29日更新
~Concert Impression ⑧~
ピアニストと俊英カルテットの共演
12月は、桐朋学園のアンサンブル教育の高さを存分に発揮した公演が続きました。1日には日本を代表するピアニストの清水和音さんとポローニア・クァルテット等の弦楽四重奏団、22日には昨年のショパン国際コンクールで第4位に入賞した小林愛実さんとカルテット・アマービレによる共演がありました。
1日の公演では清水さんがシューマンとブラームスのピアノ五重奏曲を異なる弦楽四重奏団と共演し、多くの称賛の声を頂きました。
▲プログラム前半では、清水さんと杉浦愛佳さん(第1ヴァイオリン)、
岸菜月さん(第2ヴァイオリン)、岩澤なぎささん(ヴィオラ)、
大江慧さん(チェロ)でブラームスの《ピアノ五重奏曲》Op.34を演奏しました。
▲後半では、清水さんとポローニア・クァルテット(ヴァイオリン:東亮汰さん/
岸菜月さん、ヴィオラ:堀内優里さん、チェロ:小林未歩さん)でシューマンの
《ピアノ五重奏曲》Op.44を演奏しました。
本公演では以下のご感想が寄せられています。
「清水和音さんのピアノとクヮルテットのアンサンブルが素晴らしかったです。ホールの鳴りとバランスも大変満足できる物でした。小学二年生の娘と一緒に拝見させて頂きましたが、「凄い迫力の演奏だった!!時々目をつむってそれぞれの楽器の音が聴こえるか試してみたら綺麗に聞こえた!!」と興奮していました。アンサンブルの楽しさが少し分かったのかもしれません。子供にとっては勉強になり、今後のためになる良い機会でした。」(音楽教室ご父母)
「室内楽を間近な距離で見たのは初めてでしたが、オーケストラよりも各パートの存在感を感じやすいので、メロディや和声も存在感が伝わってきて演奏者をより近くに感じました。」(音楽教室ご父母)
なお、本公演の弦楽四重奏のメンバーは本学の現役学生です。桐朋学園はアンサンブル教育に重点を置いており、室内楽については高校生から大学院生までメンバーを自由に組んだ上で、アンサンブル経験が豊富な教員のレッスンを受けることが可能です。また、室内楽の試験で優秀な成績を収めたメンバーには本学主催の室内楽演奏会に出演する機会もあります。
続いて、22日に開催した小林愛実さんとカルテット・アマービレ(ヴァイオリン:篠原悠那さん /
北田千尋さん、ヴィオラ:中恵菜さん、チェロ:笹沼樹さん)による公演では、弦楽四重奏、小林さんによるソロの演奏、そしてピアノ五重奏曲による共演がありました。
▲カルテット・アマービレはARDミュンヘン国際音楽コンクール、ヤング
コンサートアーティスト国際オーディション(ニューヨーク)など多くの
国際コンクールに入賞し、今春からはニューヨークやワシントン等で米国
デビューツアーが予定されています。モーツァルトの《弦楽四重奏曲
第17番「狩」》K.458を演奏し、上質なアンサンブルでお客様を魅了しました。
▲小林愛実さんはショパンの《アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ》
Op.22を演奏しました。昨年10月のショパン国際コンクールでの感動的な演奏が
桐朋学園宗次ホールでよみがえりました。
▲後半では、小林さんとカルテット・アマービレでドヴォルザークの
《ピアノ五重奏曲 第2番》Op.81を演奏しました。若手のホープたちが
魅せたダイナミックな演奏にたくさんの感動のメッセージを頂きました。
本公演では以下のご感想が寄せられています。
「娘が音教に通いだした頃に音教を巣立ったカルテット・アマービレの方々がとても立派な演奏家として登場したことに感激しました。また、世界的な快挙を成し遂げた小林愛実さんの強力なピアノに感銘を受けました。」(音楽教室ご父母)
「これほど近い距離で、素晴らしい演奏を聴ける機会はこのホールだけです。素晴らしい機会をありがとうございます。気迫溢れる演奏を間近に観て、音教生の子供もいつになく興奮に浸りながら帰途に着きました。オンラインやテレビで演奏聴ける機会が増え、それもありがたいことですが、逆にリアルの演奏会を聴くことの大切さを実感できました。」(音楽教室ご父母)
上記の2つの公演では、憧れのアーティストたちのアンサンブルを身近で聴けたことにも感動の声が寄せられました。まさに桐朋学園宗次ホールがアットホームな空間に感じられる瞬間だったことでしょう。




